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手のひらから伝わる、剣の心地よい重さ。
背中には小さな手が、俺の服にしがみついている。
小さな手から伝わる、不安、緊張。そして俺を気遣う心。
大丈夫だ。大丈夫。
後ろにいるはずの少女に小声で呟きながら、周囲の殺気をもう一度確認する。
視界には暗い木々しか目に入ってこないが、研ぎ澄ました神経にはびりびりと伝わってくる殺気。闘気。
三流どもめ。
俺は笑いだしたくなった。
そういうのはもっと隠せるようにならなきゃあな。
だが、数が多すぎる。
50では効かない。
しかも、一人一人それなりに訓練は施されているようだ。
仲間の到着は、少なく見積もってもあと半刻は待たなければならないだろう。
はたして俺は、
彼女を、守りきることができるだろうか。
いや、それは違う。
俺はすぐに考えを改めた。
「守れるかどうか」を考えるべき状況ではないのだ。
仮に守れないと見積もったとして、俺には選択肢はない。
守るのだ。そのための命なのだ。
俺は、きっと、今日のために、
剣を鍛え、苦しみに耐え、生き恥をさらしてきたのだ。
「おい、ちび。俺の『そうへい』を見たことがあるか?」
少女は無言で首を振った。
「そうか。……いいか、ちび。今から俺は、『そうへい』を使う。
それは幼いお前にとっては恐ろしい光景となるだろう。
だが、目を背けることは許さん。俺の『そうへい』を、その目でしかと見届けるのだ」
少女はふるえながらも、確かにうなずいた。
俺がたった今終えた「覚悟」を理解しているかのようだった。
「そして、俺がくたばる前に、『そうへい』を理解し、操れるようになるのだ。
それはやがては一人になるお前の生きる糧となり、戦うための牙となろう。
……いいか。見届けるのだぞ」
俺は、息を深く吸うと、
『そうへい』の構えを取った。
木陰から、無数の黒い影がこちらに飛びかかってくる
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